数字で見る交通事故 茨城県編(平成28年)
茨城県全体の交通事故について、警察庁・茨城県警などが公表している統計データをもとに平成28年(2016年)の発生状況を紹介します。
全国の交通事故死者数
平成28年(2016年)の全国の交通事故の死者数は「3,904名」でした。
人口10万人当たりの平均にすると「3.07人」が交通事故で命を落としたことになります。
茨城県の交通事故死者数は「150人」
平成28年、茨城県での交通事故死者数は「150人」でした。
この死者数は、全国ワースト順位で埼玉(151人)に続く第8位です。
近隣県との「死者数」のデータ比較(平成28年)
茨城県 | 埼玉県 | 栃木県 | 福島県 | 千葉県 | 東京都 | 全国 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
死者数 | 150人 | 151人 | 76人 | 90人 | 185人 | 159人 | 3,904人 |
全国ワースト | 8位 | 7位 | 20位 | 15位 | 2位 | 4位 | ― |
首都圏全体で交通事故死者数が多い傾向にありますが、茨城県の人口は約300万人で、近隣県の埼玉県(700万以上)、栃木県(約200万人)、福島県(約200万人)、千葉県(600万人以上)などとは人口が異なります。
そこで、死者数を人口で割った、「人口10万人当たりの死者数」の統計データを用いて、人口当たりの死者数を比較しましょう。
近隣県との「人口10万人当たりの死者数」のデータ比較(平成28年)
茨城県 | 埼玉県 | 栃木県 | 福島県 | 千葉県 | 東京都 | 全国 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
人口10万人当たり 死者数 |
5.14人 | 2.08人 | 3.85人 | 4.07人 | 2.97人 | 1.18人 | 3.07人 |
全国ワースト | 11位 | 44位 | 25位 | 12位 | 35位 | 47位 | ― |
こうして比較すると、茨城県の人口当たりの死者数の多さが目立ってきます。
人口10万人当たりの死者数は「5.14人」の計算で、全国平均よりもかなり多く、全国ワースト順位では第11位です。
死者数の近い埼玉県の人口10万人当たりの死者数は「2.08人」でした。
人口の多い東京都での死者数は159人でしたが、人口10万人当たりの死者数は「1.18人」と最低水準になります。
市町村別の交通事故の傾向
茨城県警が発表した平成28年の市町村別の交通事故発生数を見ると、茨城県内の市町村別の交通事故の発生状況は次のようになります。
茨城県の交通事故
平成28年の茨城県の交通事故について、人身事故や物損事故なども含めた合計件数は「10,455件」でした。
死亡事故の発生件数は「146件」で、死者数は「150人」です。この数字は、1件の死亡事故で複数の死者が出たことを意味しています。
負傷者数は「13,441人」でした。
交通事故の発生件数が多いのは「水戸市・つくば市・土浦市」
平成28年の交通事故の発生件数のワーストは、水戸市の「1,342件」です。
ワースト2位はつくば市(879件)、3位は土浦市(818件)です。
以下、ひたちなか市(669件)、日立市(561件)、古河市(443件)、牛久市(337件)、神栖市(307件)と続いています。
交通事故の発生件数が少ないのは「五霞町・利根町・河内町」
交通事故発生件数が少ない順位は、五霞町(22件)、利根町(23件)、河内町(31件)です。
死者数が多いのは「水戸市と古河市」
平成28年の死者数のワーストは水戸市の「13人」です。
2位は古河市(10人)、3位は鹿嶋市・神栖市・土浦市・つくば市・筑西市(8人)です。
なお、古河市は平成27年の県内死者数ワースト(12人)でした。
負傷者数が多いのは「水戸市・つくば市・土浦市」
平成28年の死亡者数のワーストは、水戸市の「1,667人」です。
2位はつくば市(1,129人)、3位は土浦市(1,054人)です。
水戸市・つくば市・土浦市は人口も多い都市のため、発生件数・死者数・負傷者数ともに多い傾向にあります。
負傷者数の増加が目立つのは「美浦村・神栖市・桜川市」
前年比で負傷者数の増加が目立ったのは、美浦村の38人増(23人→61人)です。ほぼ同数で神栖市の37人増(360人→397人)です。
以下、桜川市の28人増(151人→179人)、大子町の22人増(40人→62人)、鹿嶋市の22人増(195人→217人)、茨城町の18人増(167人→185人)です。
交通事故の発生件数の増加が目立ったのは「神栖市・鹿嶋市」
県全体の交通事故の発生件数は、平成27年に11,613件、28年に10,455件と、前年比で1,158件少なくなり、多くの市町村でもそれぞれ発生件数が減少しました。特に日立市では165件(726件→561件)もの減少がありました。
一方で、特に増加が目立ったのが、神栖市の28件増(279件→307件)と鹿嶋市の27件増(154件→181件)です。その次が美浦村の19件増(18件→38件)です。
茨城県の交通事故のまとめ
平成28年のデータを見ると、茨城県全体では交通事故の発生件数と負傷者数は減りましたが、死者数は10人増加しました。
また、鹿嶋警察署の管轄である鹿嶋市と神栖市とを合わせた事故発生件数の増加(前年比433件→488件)が特に目立ちました。
同管轄の死亡者数(前年比8人→16人)、負傷者数(55人→614人)の増加も県内ワーストでした。
茨城県は全国的に見ても死亡事故発生件数が多く、事故のリスクが高いため、あらためてより一層の安全運転を心がけてください。